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2013.10.20
長府へ行ってきました(妙な写真つき)
ネットで三吉慎蔵さんのことを調べておりまして。
どうしても読んでみたいと思っていた「三吉慎蔵日記」が長府博物館にあることを知りました。
さらに、それが展示してある、とか!
「いやもう、展示期間過ぎてるでしょ」←いつもタイミング悪いひとだから
て思ってみてみたら「2013年11月4日まで」!!!
こりゃいかんといかんでしょ!
でもスケジュール帳見てみたら、どう考えても「明日(10/13時点)」しかない……
外出してたので、帰ってからダンナに相談。えらい渋々でしたが、じゃあ夜中に出て朝イチで山口に入るか、ということに。
私はひとりで長府を回り、ダンナとこどもたちは小倉の「あるあるcity」に行くことになりました。
翌日、10/14、朝から長府博物館へ。こじんまりとしているけど、外観がすごく懐かしい感じで。
それほどたくさん展示物がある訳ではなかったのですが、三吉さん関係の展示物が多くて胸が熱くなりました。
よくよく見てみると、そこにあるものはほとんどが「現物」です。
三吉さんの日記なんて、虫食いだらけで(笑) それも、時代の流れなのでしょう。でも、子孫の方がすごく大切に保管されていたのだろうということは保存状態を見ればよく分かります。すごくキレイなんです。
三吉さんの和服。高い位置にあったので、三吉さんの身長がどのくらいだったか見当もつかなかったのですが。
当たり前のことですが、「三吉慎蔵日記」はケースの中に収められていて、開いた部分しか見れませんでした。
だけど、その文字から、三吉さんの性格が溢れてくるというか。実際に「実直」だったと伝えられていますが、字からもそれが伺われます。
そして。何が衝撃だったって。
三吉さんを見に行って大変失礼だとは思ったのですが。
三吉さんは、龍馬さんとたくさんの書簡のやりとりをしていました。龍馬さんの書簡が残っているのも、その一部は三吉さんがそれを大事に残していたからです。
今回の展示は、長野にいらっしゃる三吉さんの子孫の方が長府に三吉さんの遺品を寄贈されたことで行われたことだったのですが。
龍馬さんから三吉さんへの手紙が多数展示されてありました。
私はあちこちに行って龍馬さんの手紙を見ているのですが。
まあ、展示してあるものなので、そもそもそれは複製であろうと完全に思い込みながら見ています。今までもそういうふうに見てきました。なので、意識も何もしていなかったのですね。
でも。長府博物館に展示してあるものをじっくりと見ていて(じっくり目の前で時間をかけて見られる、というのがミソ)。
あ、あれ……? こ、これって……な、ナマ、なんでは……?
紙質。折り。感じる温度。それが本当にリアルで。
思わずケースにへばりついてさらにじっくりと見て。
墨で消したあと。じっと見ていると、その消した文字まで見えてきて……
「ナマ」だ!!!!!!
と思った瞬間に、涙がぶわっと。
龍馬さんが書いた、そのままの「手紙」。
なんで今までそんなことを考えもしなかったんだろう。
今までだって、「ナマ」の手紙やらなにやら、見てきた可能性はあるのです。
だけど、何も考えてなかった。ここにあるこれは。紛れも無く「リアル」なのです。
三吉さんへの手紙。日付を書こうとして、それを消して。思い出したことをまた書き始める。
そして書き終わったところで日付を書く。署名する。「三吉大兄」と宛名を書く。
震えが止まりませんでした。
危うく本当に泣きそうになったのですが、それまで私ひとりだったところに他の見学の方も来られたので、何とか思い留まることができました。
それでも、他の見学の方が他のところを見られている間、龍馬さんの手紙のところで何度も何度もそれを見ていました。
手紙を小さく折りたたんで、封をする紙に包んで。宛先を書いて。またちょっとした連絡事項も書いて。
ある手紙は、封書するのに大きさが合わなかったらしく、最初に縦方向に折ったものの、合わせるために横方向にまた折っています。半分ではなく、封書の方に合わせて折ったのだな、と推測できます。
「リアル」とはこういうことなのだと、本当に実感しました。
私はいつも、龍馬さんの手紙を見るときは龍馬さんの背中を見ています。
大きな背中を少し丸めて。ものすごいスピードで手紙を書いています。
たまに考えこむように上を向いたり。そして思い出してはまた書き始めて。墨がかすれるまで書いて、もうダメだと思ってから墨をつける。
そんなことを想像できるのは、龍馬さんの手紙がものすごく「感情」に溢れているからです。
文章ってスゴイなあ、そう思うのはそういうときです。
私も、そんなものが書けるようになりたい。
長府博物館では、学芸員の方が気軽に質問に答えて下さり、さらにコピーまで取ってくださいました(展示物の、ではありませんよ念のためw)。
いつもはもだもだな私ですが、こんなところまで来て二度と来れないかもしれないと思うと思わず聞いてしまっていました。
本当にありがとうございました。
そのあとは、隣の功山寺です。
功山寺には、三吉さんや、龍馬さんと親交の深かった印藤聿さんのお墓があります。お参りをしてきました。
功山寺といえば、高杉晋作の像ですよね。
めっちゃカッコよかったですよ! やっぱ晋作はカッコいい……
ちなみに功山寺、ご近所の方のお散歩コースというか、和みの場というか、なんだかほっこりしていい場所でした。
地元の方に愛される場所、そんなところに三吉さんたちが眠っているかと思うと、すごく嬉しいです。
そのあとは、たまたま通りかかったら「長府毛利邸」があったのでちょっとお邪魔ししてみました。
またこれがスゴくて!
よくこんなのに入らせてくれるな! て思ったくらい素晴らしい建物なのですが!
奥に進んでいったら「着付け体験」とかあってですね! 甲冑だの女官姿だのを着させてくれるんですよ!
天皇がお泊りになられたような屋敷でですよ? ナニガオコッテンノカオレニモワカラネエガアリノママヲハナスゼ……って言いたくなるわw
でも私、女官姿て……ド恥ずかしくてそんなのムリです。で、前に受付されていた男性が「坂本龍馬で」とかおっしゃっておられて!
え、そんな衣装まであるの!?
聞いてみたら「高杉晋作もありますよ」て!
どうせなので「……じゃあ、高杉で」て言っちゃいましたよ、私w
龍馬さんは袴ですが、高杉さんは着流し!
大小まで指していただきまして!
庭を散策させていただいたのですが、いいお庭でした~。
で、坂本龍馬&女官のカップルに「せっかくなので一緒に写真を~」と言っていただきまして!
で、龍馬さんと記念写真です!!!
(顔は隠させていただきましたw)
いや~、面白い体験でした。しかも「無料」て。どんだけ太っ腹なの、毛利さんwww
そのあとは、三吉さんの家を探しに。
長府の町は古い建物が残っていて、スゴくいい雰囲気です。
三吉さんの家の跡にはちゃんと案内板もあります。
ああ、ここにお龍さんがいたんだなあ、と……感慨深く見ていました。
漂う潮の香り。
いい町でした。また行きたいです。
帰りに、娘の「全国アニメイト制覇」のために防府のアニメイトへ。
道路には「三田尻」と書かれた標識。
龍馬さん関係の史料でよく見かける「三田尻」てここのことだったんだ、とさらに感激。
偶然よ、ありがとう。
ということで突撃長府の旅だったのですが。
帰ってから体調を崩し、風邪っぽくてしばらくしんどかったです。
いい加減、年を考えねばいかんのを自覚せねばいけないかと思いますw